清水の舞台
「倉田と佐藤さんは、倉田がA銀行に勤めていたときに知り合ったのか」
青山刑事はメモをとりながら、そう言った。
「そうです、最初は一方的に倉田さんが佐藤さんに好意を寄せ、交際を何度も迫ったようです。そのうちに、佐藤さんも倉田さんの誠実さに惹かれていったんだと思います」
「なるほど、A銀行を辞めていたから佐藤さんとのつながりを見つけられなかったのか。佐藤さんの親父、つまり川本工務店の社長もお年でして、倉田の写真を見せても、知らぬ顔だ、と言うものですから。まあ、もう取引のなくなった銀行ですから忘れていても当然ですがね。やっとつながりましたよ。ところで、倉田はよく松木さんにそこまで話しましたな」
「ええ、あれは確か平成十三年の春でした。私がたまたま清水寺を散歩していましたら、倉田さんと年配の美しい女性が腕を組んで歩いているのを見てしまったんです。それで、次の日『ルー』に行って、聞いてみたんです」
青山刑事はメモをとりながら、そう言った。
「そうです、最初は一方的に倉田さんが佐藤さんに好意を寄せ、交際を何度も迫ったようです。そのうちに、佐藤さんも倉田さんの誠実さに惹かれていったんだと思います」
「なるほど、A銀行を辞めていたから佐藤さんとのつながりを見つけられなかったのか。佐藤さんの親父、つまり川本工務店の社長もお年でして、倉田の写真を見せても、知らぬ顔だ、と言うものですから。まあ、もう取引のなくなった銀行ですから忘れていても当然ですがね。やっとつながりましたよ。ところで、倉田はよく松木さんにそこまで話しましたな」
「ええ、あれは確か平成十三年の春でした。私がたまたま清水寺を散歩していましたら、倉田さんと年配の美しい女性が腕を組んで歩いているのを見てしまったんです。それで、次の日『ルー』に行って、聞いてみたんです」