清水の舞台
私が大学生の頃、私と母は、それまで住んでいた家を出て、今住んでいる北区のマンションに引っ越しました。

「それまで住んでいた家というのが、祇園の家ですね」

青山刑事は真理子にお茶を差し出しながら、そう言った。

そうです。私たちはマンションに住むことになったので、祇園の家は貸し出すことにしました。

それを借りに来たのが倉田さんなんです。


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