空人1〜奇跡〜
「委員会の帰りで。教室に寄ったら、秋人がいたから」
柊が絞り出す言葉を聞き、俺はようやく納得する。
……。それだけの事かよ。
俺、酷ぇ事してたのか。
折角誘おうとしてくれていたのに、素っ気なく反応していた。
俺、最悪じゃん。柊を泣かせるなんて。
後悔が押し寄せる中、柊を見る。
再び俯いてしまった柊の姿を見ているだけでも、何となく感情が伝わってくる。
ごめん、柊。
一緒に帰るのは構わない。
実は、誘ってくれるだけでも嬉しかったりもする。
最近、前みたいに話せなくなっていたから。どこかぎこちなくなっていたのも事実で。
柊とは今までみたいに、仲良くしたい。それが、俺の本心だ。
頼む……これ以上、泣くなよ。もう、見たくねぇ。
いつも通りの柊に戻ってくれよ。
……。いや、そんなのは無責任な話か。
今の事態は、俺が招いた物であるのには間違いない。
だったら。
ちゃんと謝らねぇと――…。
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