消して消されて
思っていたほど今回のテストは悪くなかった。

精神的に不安定で、自信がなかったが他の教科も何とか乗りきった。

唯は樹の元に駆け寄った。

「どうだった?」

樹はニンマリと笑みを作った。

「まぁいつも通りって感じだな」

「もしかして900越えた?」

「ギリギリ越えた。」

「じゃあ私の負けだな。合計862点だった」

生物が思ったより足を引っ張ったので自分の平均点を下げてしまった。

「俺は902点」

「さすがだね」

唯は軽く手を叩いた。

自分ももっと頑張らなければ。

気合いを入れたとき、担任が教室に入ってきた。

「席につけー」

両手に抱えていた荷物を教卓に置いた担任は生徒に着席するように指示した。



< 101 / 102 >

この作品をシェア

pagetop