消して消されて
「さっき返したテストはあくまで定期テスト。もちろん定期テストも大事だけど、他の学校との比較ができないわよね。偏差値だってでないし。今からもう1つ返すものがあります」

唯は担任が抱えていたものの招待が分かった。

「全国模試の返却を始めます」

1ヶ月ほど前に受けた全国模試だ。

一気にクラスメイトのテンションが下がった。

カラーで印刷されている模試の結果は偏差値から希望の大学に対して今自分がどの程度のものかまで詳細に出てくる。

担任が次々に名前を呼んでいく。

受け取って一喜一憂する生徒達。

「山崎」

名前が呼ばれたので唯も立ち上がって渡された紙を手にした。

席について周りに見えない程度に広げる。

「よかった…」

唯は思わず安堵のため息を漏らした。

第一希望の国公立である大学が安全圏に入っていた。

すなわちA判定である。

このまま維持できればいいのだが。

まだ1学期なので成績はまだまだこれから上下する。

油断はできない。


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