消して消されて
電車で一駅移動して昨日のショッピングモールへと足を運んだ。

24時間前は愛と笑顔で歩いていたこの道。

しかし今の唯の表情は険しかった。

駅から5分歩くと目的地が見えてきた。

今度は迷うことはない。

唯はエスカレーターを使って2階へ上ると途中立ち並ぶ店には目もくれず占い師の元へ向かった。

人気のない細い通路の角。

唯は真っ直ぐ歩いた。

途中まで早歩きだった唯はどんどん歩くスピードを落とした。

「あれ?」

唯は首を後ろにして振り返った。

「確かこの辺だったよね」

周りを見渡すがそれらしきものは見あたらない。

「なんで…?」

ぐるっと一周して回ったがどこにもない。

階を間違えたのだろうか。

唯はさらに上の階へと上り探してみたが見つからない。

とりあえず1階のインフォメーションへ向かった。

「あの…昨日2階でやってた占いってどこいったんですか?」

ピンクの制服に白い帽子を被った女性は調べ始めた。

「申し訳ありませんが、昨日をもちまして終了したようです」

「そんな…」

唯は肩を落とした。
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