消して消されて
そして現在。

理香は1-4にいた。

クラスメイトが扉を開ける度に千里ではないかとびくびくした。

しかし一向に千里が来る気配がない。

「休みかな・・・」

時間は刻々と過ぎていきとうとう8時半のチャイムが鳴った。

担任が教室に入ってくる。

結局千里は来ていない。

理香は空席を見つめた。

「みんなに聞きたいことがある」

担任が教壇の前で深刻そうな表情をしている。

理香も担任の方に目をやった。





「辺見千里が昨日家に帰っていないらしい。最後に見たのはいつだ?」





理香の胸がドキっと高鳴った。

「HRの後鞄を置いたまま教室出たのを見ました」

クラスメイトの1人が答えた。

「そうか。詳しいことを知っている奴がいたら先生に話に来てくれ」

理香は膝の上で拳を握りしめた。

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