消して消されて
授業が中盤に差し掛かったとき、唯のスカートのポケットが震えた。

メールが入ってきた知らせである。

唯は黒板に向かって数式を書いている教師を確認すると携帯を開いた。

差出人は小学生の頃から仲のいい熊谷瞳（クマガイヒトミ）だった。

『久しぶり!!今度の日曜日久しぶりに唯と夏希と私の3人で遊ばない？』

小学生の頃は毎日3人一緒だった。

唯はアウトドア派だったが女の子らしい瞳は家で遊びたがったので精神的に大人な唯が合わせていた。

夏希は少々気が強いのでわがままな瞳とよく衝突した。

仲裁するのが唯の役目である。

最初はうんざりしていたが、慣れとは怖いもので今では瞳のわがままも夏希の鋭い言葉も全く気にならない。

唯はメールの返信した。

『いいよ。何時にどこ行けばいい？』

カップラーメンもできない内に返信が返ってきた。

『やった!!13時に私の家に来て』

インドア派な瞳の思考は相変わらず変わらないようで、大抵遊ぶとなったら瞳の家だった。

同じ校区内なので行きやすいが。

唯は携帯を閉じた。

そしていつの間にか黒板にびっしり書かれた文字をノートに写した。


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