消して消されて
2日後、唯は期末試験に臨んでいた。

何とか1日で追いこみを掛けた甲斐があり、なかなかの出来具合だと思う。

テストが終わりのチャイムが鳴った。

テスト初日が終了し、クラスメイトは息を吐いている。

「唯ー。やばいよ」

愛が唯の机に駆け寄った。

「全然分かんなかった!」

「私もそんなに自信ないよ」

ここは建前で愛に合わせておく。





「明日の数学が1番やばい!唯、ちょっとだけ教えて」





唯はふと帰り仕度する手が止まった。

「数学・・・?」

「どうかした?」

愛が不思議そうな顔で唯を覗き込んだ。

「ううん。何か、前にも誰かに同じようなことを言われた気がして」

「それ私じゃない?しょっちゅう唯に頼ってるし!」

「そうかも」

唯は数学を取り出して椅子に座った。


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