消して消されて
『久しぶり!!今度の日曜日久しぶりに唯と夏希と私の3人で遊ばない?』
間違いメールではなさそうだ。
しかしアドレス帳に登録されていないので名前が表記されていない。
誰からのメールだったのだろう。
明らかに知り合いなのに唯は思い出せなかった。
この人の記憶を消すために私は夏希を消したのだろう。
夏希を消してしまったことに非常に罪悪感に駆られる。
今までの2枚は決して自分のためではなかった。
1枚目は好奇心からで、紙の効力を信じていなかった。
いわば事故である。
2枚目も殺されかけたからという不可抗力の理由からだ。
しかし今回は・・・。
唯は夏希に謝っても謝りきれない気持ちだった。
一方で何か忘れられてすっきりした気持ちもある。
これ以上考えていても仕方がない。
唯は頭を振ると愛の待つ教室へ戻った。