君が笑う日まで…
第1章

悪夢

−璃子 15才 秋−




「気をつけて帰れよ」



塾の先生が私を外まで見送る。



「はい!先生、遅くまでありがとうございました」


「神谷は勉強熱心で先生嬉しいぞ」


私は先生に笑顔で手を振ると、家の方向に歩き出した。




毎週月曜と水曜、金曜にある塾。

今日はわからない問題を先生に聞いていたから、帰りが一時間程遅くなってしまった。



今は10月。日が暮れるのが早くなっているこの季節、外はもう暗闇で外灯が所々に光っている。




お母さん心配してるかな〜。



私はお母さんに怒られるんじゃないかって、そればかり心配して、家までの道のりを少し早歩きで歩いた。


人通りが少なく、住宅が密集しているこの場所は、夜は結構恐いんだ。










家路を急いでいると、暗闇の中にぼんやり光る自動販売機の前に男の人が3人座っているのが見えた。
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