君が笑う日まで…
物凄く悲しい目…
その女は俺を見ると、走って屋上から出て行ってしまった。
「あ……おいッ…」
何だ…アイツ…
「冬矢〜」
二年の女が出て行ってすぐに見慣れた奴が顔を出した。
「おぅ、竜」
コイツは俺と一番仲がいい同じクラスの竜。
「今の女、二年の神谷璃子だろ?」
「お前知ってんの?」
「知ってるっつーか、かなり有名だよ。すげー美人なんだけど、笑わない女って。落とすって頑張ってる三年とか結構いるらしいし?」
−神谷 璃子−
笑わない…女…か…
あ…
それって
もしかして…
「神谷って2−C?」
「うん。夏季と同じクラスだったよ、確か」
やっぱり…
夏季が言ってた、『全然笑わない子』って、神谷璃子の事だったんだ。