君が笑う日まで…
冬矢−最後の夕食
年も明け、俺達は何も変わらない毎日を過ごしていた。
ある朝の忙しい時間に
俺の携帯が鳴った。
「もしもし?」
「うん…わかった」
俺は電話の相手と、短い内容の会話を終わらせると電話を切った。
「お兄ちゃんっ遅刻するよ」
夏季と璃子が制服を着ながらパンを口に詰め込む…という器用な事をしている。
「夏季、母ちゃん外出許可出て、今日帰ってくるって…」
俺の言葉に時が止まったかのように、夏季と璃子の動きが止まった。
そしてパンを喉に詰まらせ、むせている夏季。
コーヒーを夏季に飲ませ、背中を摩る璃子。
「ほっ…本当!?」
慌ただしい朝
俺達は母ちゃんの帰宅を楽しみに学校に向かった。