君が笑う日まで…
「ただいまッ」
俺はアパートのドアを開けた。
そこには
「おかえり、冬矢」
笑顔の母ちゃんがいた。
「体調は大丈夫なのかよ?」
俺は飯を食べながら母ちゃんに聞いた。
「なんとかね。それより冬矢、璃子ちゃんとはどうなの?」
母ちゃんはニヤニヤとしながら俺を見る。
璃子は顔を赤くして目を逸らした。
「べ…別にっ」
俺はそう言うと飯を口いっぱいに詰め込んだ。
「ふふっ。照れちゃって」
母ちゃんは笑った。
なんか、不思議な気持ちになった。
夏季がいて
璃子がいて
母ちゃんがいる。
こんな賑やかな夕飯は久しぶりだった。
早く、こうやって毎日四人で飯が食えたらいいな…
俺はそう思った。