君が笑う日まで…
「お金なんて必要ありません」
俺は強くそう答えた。
母親は俺を一瞬だけ見るとコーヒーを一口飲んだ。
「それじゃ、他に何か?」
母親は冷たく言葉を投げかけた。
璃子は
どこにも行く所がなくて
どうしようもなくて
ここに来た。
璃子にもきっと
こんな冷たい言い方しかしなかったんだろうな、この人…。
「何で、璃子がここに来た時、受け入れてやらなかったんですか?」
俺は母親を睨んだ。
母親は顔色ひとつ変えないで一点をずっと見つめている。