君が笑う日まで…
「璃子が小学生の時に、璃子の父親は家を出たの。他に女を作ってね…。
それから私は−…
璃子に冷たくあたるようになってしまったの…」
「何故…璃子にだけ冷たくあたったんですか?」
俺の言葉に、母親はゆっくりと顔を上げて
「璃子が父親に似ていたからよ…」
母親の言葉にまた俺の怒りが込み上げた。
「たったそれだけで!?」
「私は夫が憎くて憎くて仕方がなかったのよッ。あの子を見ていると、夫を嫌でも思い出すのよッ…私を捨てた、子供達を捨てた、あの夫をッ…」
そう叫ぶと母親は手で顔を覆い泣き出した。