君が笑う日まで…




「璃子はその塾の帰り…襲われたのよ…。私はその事を璃子の口から聞く事はなかった。
ただいまも言わない璃子の様子がおかしいと思って部屋に見に行ったら…あの子手首から血を流して倒れていた…。足元にあった汚れて破れた制服を見て…すぐにわかったわ…」



俺は母親の言葉に愕然とした。



璃子は母親にも言えず…




誰にも言えず…




たった一人で…




悩んで、悩んで、




手首を切ったんだ…






「璃子は小学生の時からの親友にだけ、この事を話したらしいの…。その友達だけが璃子の救いだったと思う…。




でも……次の日、クラス中にバラされていたのよ…。親友は簡単に璃子を裏切ってしまった……。その日から……璃子が笑う事はなくなった……」





俺はぶつけようのない怒りを、自分の中に押さえるのが精一杯だった。






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