君が笑う日まで…
「私があの子の笑顔を消してしまったのよッ…今更どんな顔して謝ったらいいのかッ……」
俺は母親の言葉にゆっくり口を開いた。
「璃子は謝ってもらいたいんじゃない…。ただ抱きしめてもらいたいだけですよ…。璃子はアンタを恨んでなんかいない。今もアンタの愛情を欲しがってるよッ」
璃子の母親は顔を上げ、また泣き出していた。
「これ、俺のアパートの住所と携帯番号です。もし、何かあったら連絡ください」
そう言うと俺は住所と携帯番号を書いたメモをテーブルの上に置いた。
「突然、すみませんでした。ただ…璃子は俺が責任持って面倒見るんで、安心してください」
そう言葉を残して、俺は玄関まで歩いた。