君が笑う日まで…
『ピンポーン』
「やばいっ!竜来ちゃった」
慌ただしい朝。
二泊三日の温泉旅行に行く事になった私達は朝からバタバタ準備をしていた。私は夏季と買い物した時に買ったワンピースとコートを着た。
歯磨きをしながらドアを開ける冬矢くん。
「はぁ!?おまえ等まだ準備終わってね〜の!?」
呆れる竜くんは部屋に入り、タバコを吸い始めた。
「女の子は時間がかかるのッ」
夏季は大きなボストンバッグに着替えを詰めながら竜くんに言った。
「冬矢、男だし。あいつ一番やる気ねぇし」
冬矢くんはそんな竜くんを無視して歯磨きを続けた。
私は洗面所に、洗顔フォームの買い置きを取りに行った。
鏡越しに冬矢くんと目が合う−…
ドキッ………
冬矢くんはうがいをするとタオルで口を拭きながら
「見た事ない、その服。いいじゃん」
「楽しい旅行にしような」
そう言って頭を撫でてくれた。
「うんっ」