君が笑う日まで…

冬矢−新しい家族−



今日はバイトに少し早めに呼ばれた俺は、かなり怠い気分だった。


最近の寝不足で少しフラフラする。


「はぁ〜」



でも俺が稼がなきゃ母ちゃんの入院費払えなくなるし、夏季にも飯食わせられなくなるしなっ。


俺は気持ちを入れ替えて、仕事に集中しようとした。



ふと、俺は歩道を歩く女子高生が目に入った。









あれ…アイツ…






その歩いてた女子高生は、−神谷璃子−だった。







俺はポケットから携帯を出し、時計を見た。




−PM11:20−




アイツこんな時間に何やってんだ…?



携帯をしまい、再び神谷を目で追うと、さっきまでいなかった男二人が神谷の両隣を歩いていた。






肩に手を置き、明らかに神谷は嫌がっているのが離れた俺からでもわかった。




「すいませんッ!俺早退しますッ」



俺はバイトの先輩にそう言うと返事も待たずに、走り出した。






< 17 / 219 >

この作品をシェア

pagetop