君が笑う日まで…
冬矢−新しい家族−
今日はバイトに少し早めに呼ばれた俺は、かなり怠い気分だった。
最近の寝不足で少しフラフラする。
「はぁ〜」
でも俺が稼がなきゃ母ちゃんの入院費払えなくなるし、夏季にも飯食わせられなくなるしなっ。
俺は気持ちを入れ替えて、仕事に集中しようとした。
ふと、俺は歩道を歩く女子高生が目に入った。
あれ…アイツ…
その歩いてた女子高生は、−神谷璃子−だった。
俺はポケットから携帯を出し、時計を見た。
−PM11:20−
アイツこんな時間に何やってんだ…?
携帯をしまい、再び神谷を目で追うと、さっきまでいなかった男二人が神谷の両隣を歩いていた。
肩に手を置き、明らかに神谷は嫌がっているのが離れた俺からでもわかった。
「すいませんッ!俺早退しますッ」
俺はバイトの先輩にそう言うと返事も待たずに、走り出した。