君が笑う日まで…




お母さんと私は暫くの間、抱きしめ合って泣いていた。



散々泣いていた私達は、お互いの顔を見た瞬間、笑っていたんだ。



お母さんの笑顔…




久しぶりに見た…




私の笑顔をお母さんに見せたのもすごく久しぶりだった。






「璃子…あなた家に帰ってきなさい」


「え…?」


お母さんの一言に私の動きは止まってしまった。


お母さんに言われた事は凄く嬉しい…。


でも



それは




冬矢くんと離れて暮らすという事……




私は冬矢くんの顔を見れないでいた。




冬矢くんのアパートに住み始めてもうすぐ半年。



私の側にはいつも冬矢くんがいてくれて、冬矢くんはいつも笑顔でいてくれた。


私は冬矢くんが隣にいてくれる毎日が本当に幸せだった……





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