君が笑う日まで…
「俺には止める権利はないですよ…璃子に任せます」
冬矢くんの答えは、私が望んでいたものではなかった。
私もお母さんにすぐに断れなかったのは…
どこかで迷いがあるんだと思った……
冬矢くんがお母さんに強く言ってくれてたら、素直に冬矢くんに従えるのに……
「それじゃ…璃子…返事待っているから」
お母さんはそう言うと帰る支度を始めた。
「それじゃ、お邪魔しました」
お母さんは玄関で冬矢くんに深々と頭を下げると帰って行った。
お母さんの車のエンジン音が、聞こえなくなるまで私は玄関に立っていた。
お母さん……
帰って来てって…
本気なの…?