君が笑う日まで…
冬矢−璃子の決意−
最近の璃子は元気がない。
璃子の母親が家に来てからだ。
家に帰ってこいと言われた璃子は、俺には『冬矢くんの側にいたい』と言っていたけど…
迷いがあるのは見ていてわかる。
明らかにぼーっとしている事が多くなった。
夕飯のおかずも、砂糖と塩を間違ったり、皿を割ったり……。
俺は正直、璃子を帰したくない。
璃子に側にいて欲しいし、俺が近くにいて、あいつを守ってやりたい。
…でも
璃子の母親は俺の話を聞いて気持ちを入れ替えてくれた。
俺が璃子の家に初めて行った時と目が全然違っていた。
きっと
今の母ちゃんなら……
璃子を幸せにできるはずだと俺は思っていた。