君が笑う日まで…

一時のさよなら




−卒業式−





今日は三年生、冬矢くんの卒業式。




式が終わると、一年生や二年生の冬矢くんファンの女の子達が冬矢くんを囲んで泣いていた。




「鮫島先輩〜たまには遊びに来てくださいね…」



「お花受け取ってください〜」




冬矢くんは笑顔で女の子達に応えていた。





「あ〜あ、璃子ヤキモチ妬くじゃん」



夏季が冬矢くんの姿を見て、私に言った。



「ううん。冬矢くんを好きな気持ちわかるから…あれだけなら許すっ」



「おっ。余裕だな。さっすが彼女♪」



そう言って笑い合う私達。







だって




私、冬矢くんを独り占めしてるんだもん…




きっと




あの子達だって、私のように冬矢くんの隣にいたかったはず…。




私と夏季は冬矢くんの姿を見ながら、少し暖かくなった風に包まれていた。






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