君が笑う日まで…






「かんぱーいッ」




私達と竜くんは卒業式の夜、家でちょっとしたパーティーを開いた。





「冬矢、おまえ建設会社決まったんだよな?」



竜くんが冬矢くんに聞く。

冬矢くんは警備バイトの社長に紹介された建設会社に就職が決まっていた。



「うん。おまえは?」


「俺、とりあえず鳶でもやろうかと思ってさ」



「ま、俺働くようになったらすぐに夏季引き取るからさっ。冬矢は璃子ちゃんと仲良く二人で暮らせよなっ」



竜くんは夏季の肩を抱いて私達に笑顔で言った。




「璃子、家に帰るんだよ」



冬矢くんがご飯を食べながら竜くんに言うと、竜くんは驚いていた。




「え?いつだよ?」


「明日」




私は冬矢くんの卒業式が終わったら、家に帰る事になっていた。



明日−…



私はこのアパートを出るんだ−…




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