君が笑う日まで…
冬矢−離れていても…−
璃子が今日自分の家へと帰って行った。
前に戻っただけなのに…
なんでこんなに部屋が広いんだろ…
なんでこんなに俺の中は空っぽなんだろ…。
「はい、お兄ちゃん」
夏季は夕飯をテーブルに置いた。
俺はいつも璃子が座っていた場所を見つめていた。
「お兄ちゃん、寂しいんだ?」
夏季がからかうように俺に言う。
「まぁな」
俺はそう言うと飯を食べ始めた。
「璃子…いつからあんなに笑うようになったんだろうね…」
夏季は目に涙を溜めて笑った。
「お兄ちゃんが初めて璃子を家に連れて来た時、本当にビックリしたもんな〜。誰にも心開かない璃子を連れてくるなんて、お兄ちゃんさすがだねっ」
夏季の言葉に俺は笑った。
「違うだろ」