君が笑う日まで…
俺は二年になった。
冬矢と出会った事で、学年主任に目をつけられていた俺も少しずつ落ち着き始めていた。
冬矢は母ちゃんが入院している事で、毎日バイトをしている。
俺と同じ年の奴でも、こんなに頑張っている奴もいるんだ…。俺もいつまでもつっぱっていられない…そう思い始めていた頃だった。
「お兄ちゃん」
俺と冬矢は屋上でサボっていた。
そこに一年の女が来たんだ。
お兄ちゃん…?
「おう。夏季」
「まーたこんな所でサボってるの?」
その−夏季−は、冬矢の妹だった。
短い髪がすごく似合う、笑顔が可愛い女だった。
夏季は冬矢に用件を伝えると、俺に軽く頭を下げて屋上から出て行った。
夏季…か…。