君が笑う日まで…
次の日から夏季は俺に話し掛けてくるようになった。
冬矢がいる時でも、いない時でも。
「竜くんっ」
「竜くん?」
夏季の声を聞く度に俺の気持ちは揺れていた。
屋上でタバコを吸っていると
「あーッ!不良発見!」
夏季が来た。
夏季は俺の側に近付くと、俺が口に加えたタバコを取りあげて地面に捨てた。
「…ポイ捨てはいけませんよ、鮫島妹」
俺が突っ込むと、夏季は自分が捨てたタバコを拾って俺が持ってたコーヒーの缶に吸い殻を入れた。
「未成年がタバコ吸っちゃダメでしょッ」
真剣な顔で怒る夏季。
…こいつは俺の母ちゃんか?
「口寂しいんだよ」
俺がそう言うと、夏季はポケットから飴を出した。
「これでも食べてなさい」
俺は飴を開けてる夏季の手を引っ張った。