君が笑う日まで…




むしゃくしゃした俺は、携帯の電話帳から一人の女の番号を探し、通話ボタンを押した。



「あ、俺。今から会えねぇ?」



電話の向こうからは甲高い声で『行く行くっ』とはしゃいだ声を出す女。




俺はむしゃくしゃすると昔から喧嘩か女を抱く事でしかスッキリできる事がなかった。




待ち合わせ場所に向かうと、女はもう既に来ていた。



「竜ーっ」



俺に手を振るそいつは、俺の腕に自分の腕を絡めると


「ホテル行こっ」


そう言った。


都合のいい女にとって俺も、都合のいい男でしかないんだ。




俺とその女はホテルへと向かった。


ホテルの入口に入ろうとした時−…






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