君が笑う日まで…
「竜くんッ」
そう俺を呼び止めたのは−…夏季だった。
「竜〜。だ〜れ?」
俺はただ黙って夏季を見ていた。
夏季は泣いていたんだ…。
「竜くん最低だよッ」
そう俺に怒鳴りながら泣く夏季。
「修羅場〜?なんか冷めちゃった〜。竜、また今度ね〜」
俺と一緒にいた女はそう言うと、その場から去って行った。
静まり返ったホテルの入口で、夏季は周りの目も気にしないで叫んでいた。
「好きでもない人と、どうしてこうゆう所に来れるの!?」
「………」
俺は叱られている子供のようだった。
夏季が怒る事に何も言えないでいたんだ。
「好きでもない子とできるなら、私でいいじゃんッ」
夏季の言葉に俺は驚いた。