君が笑う日まで…
第6章
私の居場所
−璃子 18才 春−
今日は卒業式。
私は式が終わり、中庭で待ち合わせをしていた。
「璃子ーッ」
卒業証書を持った手を振る夏季が走ってきた。
「夏季っ」
「卒業おめでとーッ」
「お互いね〜」
私達は笑い合った。
私は冬矢と夏季に出会ったこの高校を、今日卒業する−…
一年生の時はずっと孤独だった。誰も私に声を掛けようとしないし、私も誰にも声を掛けようとはしなかった。
二年生になって、夏季と同じクラスになった。いつも私に声を掛けてくれる夏季に私は心を開いていた。そして…初めて屋上で冬矢に出会った。
私は夏季と高校生活を振り返った。
「夏季がいたから…今の私がいる」
「えー?それお兄ちゃんの事でしょ?」
笑う夏季に私は夏季の腕に抱き着いた。
「夏季がいたから、冬矢に出会えたんだもんっ」
「私オマケみたいじゃーん」