君が笑う日まで…
「神谷、もう夜遅くに外フラフラすんのやめろ」
神谷は俺を見る。
「家に帰りたくない時はここに来ればいいし」
「え…?」
神谷は目を見開いて俺を見た。
「そうだよ〜。璃子ちゃんいつでもおいで!どうせお兄ちゃんと私しかいないんだし」
夏季も目をキラキラさせている。
「あ…ありがとう」
神谷はそう返事した。
顔は無表情のままだが、俺には少しだけ、神谷が笑ったような気がした。
気のせい…かな…。
「神谷、俺のベット使えよ」
俺は押し入れから毛布を出しながら神谷にそう言った。
「え…でも…」
「いーって。俺ここらへんに寝るからさ」
俺はテーブルを部屋の隅に寄せるとクッションを置き寝転んだ。
「ごめんなさい…」
小さく呟く神谷。
「おやすみ」
俺は神谷がベットに入るのを確認してから眠りについた。