君が笑う日まで…


「神谷、もう夜遅くに外フラフラすんのやめろ」


神谷は俺を見る。


「家に帰りたくない時はここに来ればいいし」


「え…?」


神谷は目を見開いて俺を見た。


「そうだよ〜。璃子ちゃんいつでもおいで!どうせお兄ちゃんと私しかいないんだし」


夏季も目をキラキラさせている。


「あ…ありがとう」


神谷はそう返事した。

顔は無表情のままだが、俺には少しだけ、神谷が笑ったような気がした。


気のせい…かな…。






「神谷、俺のベット使えよ」


俺は押し入れから毛布を出しながら神谷にそう言った。


「え…でも…」

「いーって。俺ここらへんに寝るからさ」


俺はテーブルを部屋の隅に寄せるとクッションを置き寝転んだ。



「ごめんなさい…」


小さく呟く神谷。


「おやすみ」


俺は神谷がベットに入るのを確認してから眠りについた。




< 23 / 219 >

この作品をシェア

pagetop