君が笑う日まで…
「はぁはぁ…」


私は自分の教室から離れた中庭までとにかく走っていた。

廊下の窓から中庭が見える。



いた!!



女の子5〜6人と璃子ちゃんが中庭にいた。


璃子ちゃんを女の子達が囲んでいるように見える。女の子達の叫ぶ声が少し離れた私にもハッキリ聞こえてきた。



「おまえ、鮫島先輩のなんなの!?」

「鮫島先輩ん家に泊まったりしてるらしいじゃん」

「鮫島先輩に近づくんじゃねーよ」




お兄ちゃんのファンの子達が、璃子ちゃんが私の家に住んでる事を知ったらしく、璃子ちゃんを呼び出したんだ。




「なんとか言えよッ」

「鮫島先輩に近づないって約束しろよ」

女の子が璃子ちゃんを壁に押し付ける。


ヤバイ…



私は上靴のまま中庭に飛び出した。





その時…



「嫌」



璃子ちゃんが口を開いた。



「はぁ!?鮫島先輩に近づかないって約束しないと殴るよ?」


「殴ればいいよ…」



璃子ちゃんはものすごく冷たい目でその子達を睨んだ。




「何コイツ!ムカつく!」



女の子の一人が璃子ちゃん目掛けて手を振り上げた…



「ダメーッ!!!」




私は叫んだ。





叫んでから目をつぶってしまった私は恐る恐る目を開けた。







そこには…




振り上げた女の子の手を掴んだ




お兄ちゃんがいた。






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