君が笑う日まで…

冬矢−閉ざされた心−

俺はギリギリ遅刻を逃れ、教室に鞄を置くとジュースを買いに売店に向かった。



ジュースを飲みながら廊下を歩いていると、5〜6人の女が中庭を歩いているのが見えた。


「ふぁぁぁ…」



俺はあくびをしながら教室に戻ろうとした。



その時、女の後ろを歩く神谷の姿が目に入った。



何やってんだ?アイツ。




俺は女達と神谷を暫く目で追っていた。




女達が神谷を囲み、壁に神谷を押し付けた。



おいおい…

これヤバイんじゃねーの…





「何コイツ!ムカつく!」



女達が神谷目掛けて手を振り上げた−




間一髪ッ…




俺は神谷に振り上げた女の手を掴んだ。




「何やってんの?」


俺は女達を睨む。


「え…あ…あのッ…」

「鮫島先輩!その子と付き合ってるんですか!?」

「何でその子なんですかぁ?」



次から次へと俺に言葉を投げかけてくる女達。


うぜぇ…



「呼び出しとかしちゃうような女に比べたら、コイツの方がよっぽどいい」





俺のその言葉に完璧黙ってしまった女達。


中には泣いている奴もいた。



「もうこんな事やめろよ!神谷に手出すような事は俺が許さねぇから」


俺は女達を睨むと、俯いた神谷の手を掴みその場から離れた。




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