君が笑う日まで…
「ただいま〜」
ドアを開ける音が聞こえ、冬矢くんが帰ってきた。
私は
ドキッ…
冬矢くんの声にまた心臓の音が早くなる。
「お帰り〜」
夏季は台所から冬矢くんに答える。
私はじゃがいもの皮を剥きながら、冬矢くんの顔を見れないでいた。
「今日は肉じゃが?」
私の手元を急に冬矢くんが覗きこんだ。
「痛ッ…」
ビックリした私は手が滑り、包丁で指を切ってしまった。
「おいッ大丈夫か?」
冬矢くんは私の手を握って切れた指を見ようとした。
ドキドキ…
握られた手が熱い…。
「だッ…大丈夫…」
私は冬矢くんに握られた手を引っ込めた。
「璃子ちゃんおいで〜絆創膏あげる」
部屋で私を呼ぶ夏季。
冬矢くんは少し表情が暗くなった気がした。
昨日の事もあるし…
気分悪くしちゃったよね…