君が笑う日まで…

「辛かったな…頑張ったな…」




冬矢くんが長い沈黙を破り、こう言ったんだ。



私は冬矢くんの顔を見上げた。



冬矢くんは優しい目をしていた。






『辛かったな…頑張ったな…』






その言葉は



私にとってどれだけ救いの言葉だったか…



私の過去を知らない冬矢くんは、私の辛さはわからない。でも、少しでも私という人間を理解しようとしている。

私の閉ざされた心を開こうとしてくれている。

そんな気がした。



一人で辛かったね。


頑張ったね。



私が一番欲しかった言葉。





気付くと



私の目には



沢山の涙があふれていた。