君が笑う日まで…



「それじゃあ、璃子ちゃんは今冬矢達と一緒に住んでいるのね」


俺は神谷が俺達と生活している事をおおざっぱにだが母ちゃんに説明した。



「私と毎日ご飯作ってるんだ」



夏季は母ちゃんに神谷の話をしていた。



母ちゃんは神谷が家に帰らない理由を聞く事はなかった。


ただ俺に




一言こう言ったんだ。



「冬矢、守ってあげなさい」




母ちゃんは神谷に笑顔がない事にすぐ気付いていたみたいだ。



神谷が何か抱えている事に気付いてくれたんだろう。






俺達は母ちゃんに学校の事、バイトの事、最近あったくだらない出来事を一通り話して、家に帰る事にした。



「気をつけて帰りなさい」


母ちゃんは俺達に微笑む。



夏季は少し泣きそうな寂しそうな顔をしながら


「また来る」


そう言った。


「またおいで」


俺達は母ちゃんに手を振った。



「璃子ちゃん、お花ありがとう」


母ちゃんは病室を出ようとした時、神谷に笑顔でそう言った。


神谷は黙って頭を軽くさげていた。



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