君が笑う日まで…

嫉妬




外がずいぶん寒くなってきた。


気付けばもうじきクリスマス。



私が家に帰らなくなって、3ヵ月を過ぎようとしていた。




「ね?裕美どうだった?」

「ダメだったみたい。次私行く!!」



クラスの女子が何やら騒いでいる。


私は鞄から小説を出し読み始めた。




「璃子、そんなんでいいわけ?!」


私の前の席に座ると、私の顔を覗きこむ夏季。



「何?」


私が夏季の目を見る。


「このクラスの騒ぎ、何かわかる?」


「………さぁ?」


夏季は私の返事に大きなため息をついた。


「クラスの女の子に限らず、他のクラスの女の子も今みんなお兄ちゃんに告白してるんだよ」



夏季の言葉に、私は


「………」


言葉を無くした。





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