君が笑う日まで…
「お兄ちゃんのモテ方には本当ビックリだよ…」
定食を食べながら、夏季はため息をついた。
確かに冬矢くんはすごくモテる。
前に私を呼び出した子達もみんな冬矢くんを好きな子達だった。一年生にまで人気があるなんて…。
「璃子〜、璃子がお兄ちゃんの彼女になってよ」
夏季の一言に私は箸で掴んだハンバーグをテーブルに落とした。
「な…何で私…!?」
顔を真っ赤にした私はハンバーグで汚れたテーブルを拭きながら夏季に言った。
「だって、璃子とお兄ちゃんお似合いじゃん。私璃子ならお兄ちゃん譲る〜」
夏季は私を横目で見ながら笑った。
「私は…冬矢くんを…そうゆう目では見れないから…」
私は夏季に精一杯な嘘をついた。
夏季…
ごめん…
でも
私は恋しちゃいけない人間なんだよ…