君が笑う日まで…
顔を伏せていてもすぐに冬矢くんだという事がわかった。
私は冬矢くんの側に行こうと教室のドアに手をかけたら
冬矢くん以外にもう一人誰かがいる事に気が付いた。
教室に冬矢くん以外誰もいないと思っていた私は、教室に入ろうとした足を止めた。
よく見ると
それは
今日食堂で会った安西美優だった。
安西さんは冬矢くんに近づくと
冬矢くんの横に座り
寝ている冬矢くんの顔に自分の顔を近づけていった…−
や…
やめて…ッ
「冬矢くんッ」
私は冬矢くんの顔が安西さんの頭で重なって見えなくなる瞬間
思わず冬矢くんの名前を叫んでしまっていた。
「ん〜…?」
冬矢くんが顔を上げた。
安西さんは冬矢くんが起きた事で冬矢くんから離れた。
よ…
よかった…
「ん…神谷?…おまえ…誰?」
冬矢くんは私を見てから、側に立っている安西さんに言葉をかけた。
安西さんは顔を真っ赤にして教室から出て行った。
出て行く間際に
私を物凄い目つきで睨んでいった…