君が笑う日まで…
第2章

冬矢−出会い−

−冬矢 18才 秋−


「お兄ちゃんッ!ご飯!」

「おう」



俺はベットから起き上がると雑誌を床に置いた。



夏季がパタパタと飯をテーブルに運んでいる。



「今日はお兄ちゃんの好きな肉じゃがだよッ」


夏季がニコニコしながら俺の前に肉じゃがを置いた。



「うまそ」


「いただきまーすッ」





俺、鮫島 冬矢。



俺は妹、夏季と6畳2間のボロアパートに二人暮らしをしている。

母ちゃんが昔っから体弱くて、入退院の繰り返し。

そんなもんだから夏季は家の事全部やってくれている。
昼間は学校、夜は飯の支度や洗濯なんかを毎日している。


俺は昼間は学校、夜は警備員。土日は引っ越し屋のバイトをしている。




俺達は早くに親父を亡くした。

母ちゃん一人で俺達を育ててくれていた。

体弱いくせに朝晩働きっぱなしで苦労していたのが、今になって体にきてしまったらしい。




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