君が笑う日まで…
「どうしたの?今日は一人で来てくれたの?」
冬矢くんのお母さんの笑顔が、あまりにも優しい顔で、私はちょっと涙が出た。
私は黙ってベットの脇にある椅子に座った。
私が何も喋れないでいると、長い沈黙を破ったのは冬矢くんのお母さんの方だった。
「その顔、恋で悩んでるみたいね」
お母さんの意外な一言に私は顔を上げた。
「ふふっ やっぱり?」
お母さんの笑顔で、私の心は少し穏やかになれた気がした。
「冬矢と…うまくいってないの?」
お母さんは私の顔を覗きこむ。
「別に…付き合っているわけじゃないんです…」
私はまた俯いて話し始めた。
「あら?それじゃ告白はこれから?」
お母さんの言葉に私は首を横に振った。
「私は…冬矢くんを好きになる資格がないんです…」