君が笑う日まで…
「璃子ちゃん、でもね。好きになる資格がない人なんてこの世にはいないの」
お母さんは私を抱きしめながらゆっくりと話した。
私はお母さんの話を黙って聞いていた。
「誰にだって幸せになる権利があるんだから。璃子ちゃんは今までいっぱい辛い思いをしたんだから、これからは幸せにならなくちゃいけないの」
幸せにならなくちゃ…いけない?
「この事、冬矢は?」
お母さんの言葉に私は強く首を横に振った。
一番知られたくない人は冬矢くん…
知ったら冬矢くんは私から離れていく…
「冬矢は、貴女の過去を知ったらどうなると思う?」
私はお母さんの言葉に胸が痛くなった。
「私から…離れていくと思います…」
そう答えると、お母さんは私の頭を優しく撫でてくれた。
「冬矢を好きなんでしょ?」
お母さんは私の顔を覗きこむ。
私は顔を赤くして
首を縦に振った。