君が笑う日まで…
「お兄ちゃん!バイト遅れちゃうよ」
「おぉ!」
俺は飯を急いで食べると、バイトに向かう支度をした。
「夏季!お前学校どうだ?」
俺は着替えをしながら台所で皿洗いしている夏季に聞いた。
「えー?楽しいよ。すごく」
夏季は嬉しそうに笑った。
「そっか。ならいいんだ」
夏季は今年高校二年になった。
と言っても、俺と同じ高校なんだけど。
頭のレベルが俺と同じってのもあるけど、俺が同じ高校を勧めたんだ。
母ちゃんが家にいない事で、やっぱり心配だった俺は、いつでも側にいてやりたかったんだ。
「あ、そういえば」
夏季がそう言いかけると食器を洗う手を止めた。