君が笑う日まで…

「そんなのアンタに関係ないじゃないッ」



夏季が私の前に立ち、安西さんに怒鳴った。



「夏季先輩、美優は神谷先輩に聞いてるんですよ〜。ちょっと黙っててくれます?」



安西さんの言葉に顔を赤くして怒っている夏季。


安西さんは私の返事を待っているかのように、真っ直ぐ私を見ている。



私は



その時、冬矢くんのお母さんの言葉が頭を過ぎった。



『自信を持ちなさい』




私は安西さんの目を見ると




「好きだよ」




そう一言強く答えた。






安西さんは私の返事を聞くと



「ぷっ…あははははっ」




笑い出した。




私は安西さんがどうして笑っているのかがわからなかった。



夏季も私の顔を見ながら首をかしげた。



暫く笑い続けた安西さんは、もう一度私を見てこう言ったんだ。






「先輩さぁ、よくそんな汚い体で鮫島先輩を好きでいれるね」





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