君が笑う日まで…



アパートを出て、すぐにタクシーを拾った私は駅に向かった。



行くあてはなかった。



ただ、少しでも早く冬矢くんのいる町から消えたかった。



私は無意識のまま、地元の駅までの切符を買っていた。




家に…帰ろう…。




そう思った私は、電車に乗った。










見慣れた景色が電車の窓から見えてきた。



私は電車を降りると、通い慣れた駅の改札を出た。





私が帰る事で


お母さんは迎え入れてくれるだろうか…



そんな不安があったが、今帰れる場所は自分の家しかなかった。




私は家の玄関前で大きく深呼吸をした。



『ピンポーン』



チャイムを鳴らして少しすると



『ガチャ』



玄関の鍵が開けられ、ゆっくりとドアが開いた。







< 83 / 219 >

この作品をシェア

pagetop