君が笑う日まで…
アパートを出て、すぐにタクシーを拾った私は駅に向かった。
行くあてはなかった。
ただ、少しでも早く冬矢くんのいる町から消えたかった。
私は無意識のまま、地元の駅までの切符を買っていた。
家に…帰ろう…。
そう思った私は、電車に乗った。
見慣れた景色が電車の窓から見えてきた。
私は電車を降りると、通い慣れた駅の改札を出た。
私が帰る事で
お母さんは迎え入れてくれるだろうか…
そんな不安があったが、今帰れる場所は自分の家しかなかった。
私は家の玄関前で大きく深呼吸をした。
『ピンポーン』
チャイムを鳴らして少しすると
『ガチャ』
玄関の鍵が開けられ、ゆっくりとドアが開いた。