君が笑う日まで…
私はまた無意識のまま駅に戻ってきていて、さっきとは反対に冬矢くんのアパートがある駅の切符を買っていた。
私には
帰る場所なんてない
そう思いながらも、足は冬矢くんのアパートに向かおうとしていた。
ついさっきまでいた町。
夏季と買い物の帰りに歩いた道。
冬矢くんのバイト姿を見つけた道。
足は冬矢くんのアパートに向かおうとするが、心がそれを止めようとする。
汚い
汚い
汚い私は冬矢くんと一緒にいてはいけない。
私は真実が冬矢くんに知られてしまった以上
やっぱり冬矢くんに合わす顔なんてないって思った。
私は気付くと横断歩道の前に来ていた。
青信号が点滅して、赤に変わる事を知らせている。