君が笑う日まで…
第4章
冬矢−守り抜く力−
朝、俺は登校して真っ先に一年のクラスに向かった。
−1−E−
俺は教室のドア付近にいた女子に声をかけた。
「安西美優いる?」
「あッ…はいッ…」
俺が声をかけた一年は俺にそう答え、教室の中に入って行き、キャーキャー騒ぎ出した。
「美優っ。鮫島先輩来てるっ」
教室の女子の固まりの中に、安西はいた。
「鮫島先輩っ。やっと先輩から美優に会いに来てくれたぁ」
安西が上目遣いで俺を見る。
「ちょっといいか?」
「うんっ」
俺は安西を中庭へと呼び出した。
「こんなとこ呼び出してどうしたの〜?先輩。あっ、やっと美優と付き合う気になった?」
安西が俺の腕に自分の腕を絡めてきた。