君が笑う日まで…
その日の昼休み
俺は食堂へと向かった。
「冬矢、今日何食う?」
竜が俺に纏わり付く。
食堂に入ると安西の姿が目に入った。
そこには座る神谷と夏季もいたんだ。
俺はまた安西が神谷に何かしているのかと思い、安西に近づいた。
「神谷先輩っ、昨日はすみませんでしたっ」
え?
安西は神谷に頭を下げていたんだ。
顔を真っ赤にして、神谷に謝っていた。
「先輩の気持ち、何も考えないで…酷い事して…ごめんなさいっ…」
安西は目に涙をいっぱい溜めて、神谷に懸命に謝っていた。
俺は黙ってその姿を見ていた。
「もう…いいよ」
神谷は安西を見上げて優しい顔をした。
「安西さんは冬矢くんが好きだったんだもん。私も安西さんの気持ち、理解できるから」
そう言うと、安西は手で顔を覆って泣き出した。