愛 ~①巻~
小刻みに泣いて居る。

「馬鹿みたい…」

未來が呟く。

『あぁ…馬鹿だよ。』

今…知った事では無い。
「え…?」

未來が俺の方を見る。

眼が腫れている。

「龍…」

未來が俺の姿を見て、驚いている。

「龍…ッ…なんっで…髪の毛が…ッ」

分からないのか?

「お前の為」

他に何が有るんだ。
俺は未來に軽いキスをする。
「龍…ヒック…なんで…ケホッ」

未來の声は酷く枯れていた。

ずっと泣いていたのか。
『こんなに声が枯れて…』

「私の事嫌いじゃ無いの?」

…。

「嫌いになるわけ無いじゃん!」

当たり前の事を…。

『龍ぅ…ごめん…ね?…ッごめん…うぅ』

なんで謝るんだ?

「お前は何も悪くないだろ?

俺が勝手にキレたんだから」

これが真実だ。

『りゅうぅ…ッ…ヒック…』
< 152 / 408 >

この作品をシェア

pagetop